お客様の声

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轟:「あの麒麟の絵がある会社ですね」と 皆様から言われたら嬉しいですし、 麒麟が降臨するに相応しい会社に育てたい。
武宮: 描き進めるうちに、 自分自身を超えた別個の存在として 大きく育つような絵を描ければと思っています。

株式会社電算 代表取締役社長 轟 一太 さん

株式会社電算 代表取締役社長 轟 一太 さん

株式会社電算 代表取締役社長 轟一太 さん

本日は、2013年3月新社屋の完成に合わせてロビーフロアに絵を飾っていただいた、株式会社電算代表取締役社長 轟 一太様を、絵の作者 武宮 秀鵬先生と長野市の本社を訪ねて、お話を伺いました。( 取材  顧 定珍)


 

■ 会議室、食堂など各フロアに絵画をきれいにレイアウトしておられますが、美術品に親しむようになったきっかけについてお聞かせください。

轟:全ての絵を私が集めたわけではありませんが、もともと絵を観ることに興味はあって、幸い長野には美術館も多いですし、信濃美術館の東山魁夷先生の作品も好きでよく観に行きました。

■ 絵を選ぶ際の基準とは?

轟:新しいビルに移転するにあたって、徐々に絵のある職場環境の大切さを意識するようになりました。

■ それは御社の事業内容が主に情報技術(IT)やシステムの構築とその運用、管理という分野で展開されていることと関連があるのでしょうか。

轟:我々の仕事は、主としてコンピュータシステムの開発、提供、保守運用です。常に正確さやスピードが求められます。反面、生き残る為のセンスや感性を磨き、チームとして更にクリエイティブ性を高めていかねばならないと考えているのですが、職場環境を整える意味では、そのような緊張感を解く一服のアートは必要だと思うんです。

■ 創作意欲を育てる為のひとつのツールでもある。

轟:そうです。ふと目を留めて眺める絵に、一人でも多くの社員が心安らいだり、刺激を受けてもらえればいいなと。

■ 本日はメインロビーの壁面を飾る作品の作者、武宮先生にもお越しいただいておりますが、まずはこの100号の大作『麒麟現出図』を選ばれた理由をお聞かせください。

轟:落成の記念に、会社が目指している象徴として大きな存在となる絵を飾りたいという想いがありました。そこで、中国の麒麟伝説が意味する『 仁 を成したところに降りてくる』という麒麟にあやかりたい気持ちと、麒麟が降臨するに相応しい会社に育てたいという願いを込めて飾らせていただいています。 「あの麒麟の絵がある会社ですね」と皆様から言われたら嬉しいですし、先生の画風が変わった時期の作品ですから、先生の今後のご活躍が楽しみです。 芸術文化やスポーツへの支援のかたちは様々ですが、絵を展示できるだけの会社に成長していくことが武宮先生への恩返しかと思っています。

■ 武宮先生に作品の創作意図をお伺いいたします。

武宮:ソウルのアートフェアへ出品する為に制作したものですが、実は麒麟を描いた初めての作品でした。神獣としてポピュラーな麒麟は決して殺生をしない、まさに平和への願いを象徴するモチーフですので、これ以降の作品にも重要なシンボルとして描いています。蓮田の中で垂直に伸びる花は希望の光を表現しようとしました。

轟:先に画像で拝見した時からぜひ見たいと思わせる作品でしたが、実際に見ると特に赤の色彩が衝撃的でした。

武宮:原色の持つエネルギーをアピールしたい気持ちは強いです。安らぎ、癒しの表現だけでなく、見た人が何か行動を起こしたくなる衝動に駆られるような力が伝わればとも思っています。アジア的、仏教的な思想も近作には含まれますが、今の私には日本が持っている資質を強くアピールすることが技法にも色濃く出ていると思います。

 

「麒麟現出図」100号 轟社長と武宮先生

 

■ 画風を転換される前に見られるファンタジックな作品は、この会社のカウンセリングルームに飾っていただきましたが、ピッタリでした。

轟:お聞きしたところ、画風の変化はご自身のお子様の成長にしたがって世の中に提供したいと思われるモチーフが変わっていかれたとか。

武宮:子供が小さい頃は、世の中の全ての子供たちに安らかな眠りを与えてあげられるような絵を描きたいと思っていましたが、今は私自身の絵画のルーツ、日本人としてアピール出来るものを探求していきたい想いが強くなってきています。

轟:芸術のことは造詣が深いわけではありませんが、やはり個人的なテーマや素材が強ければ強いほど訴えるものが力を増すのでしょうし、見る側の人々の感動を生むと思います。 ぜひ、今の勢いで制作を続けてください。

■ 最後に武宮先生、これからの展望をお聞かせください。 武宮 構想している作品のテーマや色調などが、描き進めるうちに自分自身を超えた別個の存在として大きく育つような絵を描ければと思っています。

轟:つまりそれは絵が作者の手元を離れて、観る側に委ねられていくことでもありますから、受け手側の楽しみでもありますね。

■ 本日はお忙しい中、轟社長、武宮先生、有難うございました。

 

ギャラリー通信#67(2014年1月) インタビュー記事より

新社屋ロビーフロア受付
株式会社電算 http://www.ndensan.co.jp/