GMご挨拶

GM Message

北京ノート ~ 劉宇廉回顧展 ~

北京ノート ~ 劉宇廉回顧展 ~

去る8月23日、北京の中国美術館で、当社の取扱画家、劉宇廉(リュウ・ウレン)先生の回顧展が開幕しました。前日に北京へ飛んだ私は、その除幕式に立ち合うことができました。
劉先生は日本での活動時期も長かったのですが、中国美術界からの高い評価は今も変わらず、美術雑誌、一般雑誌、新聞に多く取り上げられる大作家です。
「西去九色鹿・劉宇廉回顧展」と題された同展では、8年前にわずか49歳でお亡くなりになった鮮やかな才能を偲ぶ人々であふれかえっていました。レセプション、シンポジウム、美術館主催の晩宴ともに大盛況でした。彼の代表作「九色鹿」はもちろんのこと、幅50メートルの黄絹に墨一色で描かれた大作「黄河の物語」にいたっては没後初公開。日本で活動した10年間に描かれた作品も含め、内容の充実した約80点の展観でした。
8年振りに、これだけたくさんの劉先生の作品に触れた私は、胸がいっぱいになりました。この回顧展に合わせて、作品集と追悼文集など全4冊の本が編まれました。生前の劉先生を知る人々から寄せられた手記が掲載され、告別式で私が読んだ弔辞も載っています。この本には、まだ若かった私には知るよしもなかった、劉先生の持つさまざまな横顔がありました。
当時の私にもっと経験があれば、画商としての役割を自分がもっと認識していれば、もっと先生のサポートをできたのではないか。先生の精神をもっと楽にして差し上げられたのではないか
――美術館が「過去」の画業をたたえる場所であるなら、画廊は生きている画家を支える場所です。
劉先生の偉大さにあらためて感動するとともに、画商として身がひきしまるような思いでした。感無量です。
同展は終了しましたが、上海美術館で10月21日~30日に巡回展が予定されています。上海にいらっしゃる機会がございましたら、ご覧になることをお薦めいたします。

 

  2005年5月
                              シルクランド画廊  顧 定珍