GMご挨拶

GM Message

開廊19周年に寄せて

開廊19周年に寄せて

寒さも峠を迎え、いよいよ春の訪れが待たれる頃となりました。皆さまいかがお過ごしでいらっしゃいますか。

私どもシルクランド画廊はこの2月、銀座に開廊して19周年を迎えました。

道すがら作品を偶然ご覧になって、画廊の扉を開ける方。インターネットを通じてシルクランド画廊をお知りになる方。ステイホームを経験して、絵のある生活を考え始めた方。なにかと外出がためらわれたこの2年間は、作品の力が人を引き寄せることをいっそう実感させられ、また、美しいものを求める方々がこれまで以上に出会いの場を必要とされていると再認識する時機でもありました。今日までさまざまな作品を迎え、多くのお客様にお届けしてきた道のりを感慨深く振り返っております。作家の先生方、お客様とのご縁が導いてくださった幸せに、心より感謝し厚くお礼申し上げます。

先般、熱海のMOA美術館を訪ねる機会がありました。創立者の岡田茂吉氏は芸術が人の心に働きかけて社会をよくするものだとの一念から、箱根美術館など美術事業をいくつも立ち上げた方です。愛する家族を失い自然災害に見舞われてなお、美しいもの、とりわけ美術品を心の支えに壁を乗り越え、生きる実感を取り戻したというエピソードに触れて、現代に生きる私たちにも通じる希望を見た思いがしました。同館の展示もまた、芸術に救われ、美術作品とともに生きてきた人間として、文化は次代への贈り物だと思い出させてくれるものでした。

私どもも、ひとつしかない「一期一絵」をご提供しながら、これからも節目の20周年に向けてゆっくり歩んで参ります。

今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、スタッフ一同、心よりお願い申し上げます。

 

令和4年2月

                                                                                                                       シルクランド画廊 顧 定珍