顧 定珍の声

Ko Teichin voice

開廊15周年に寄せて

開廊15周年に寄せて

  やわらかな春の日差しが心地良く感じられ、桜の開花が待たれる頃です。

皆様お変わりございませんか。

  この2月、シルクランド画廊はお蔭様で開廊15周年を迎えました。初めて出会う方々が毎日のように扉を開けてくださり、それに合わせるかのように、制作してくださる作家の方々も増え、当初に比べとてもバラエティに富んだ展示で壁を飾れるようになりました。心のこもったひとつひとつの絵に、深く思いを寄せてくださる方が現れて、ご縁が結ばれていく、その幸せの連鎖に立ち会えた喜びの15周年です。

  今日までシルクランド画廊に信頼を寄せていただいたこの年月は、皆様から頂戴したご褒美です。スタッフ一同、温かいご愛顧に心より御礼申し上げます。

  すべてのお客様と作品との出会いがかけがえのないものです。昨年は、とりわけ絵の力を強く思い知らされる場面がありました。

  8年前に孫 家珮先生の作品をご覧になってすっかり大ファンになったY様。その後お体が不自由になられてからも、孫先生の個展の時にお嬢様を連れ、介助の方が押す車椅子でよく画廊にいらっしゃいました。昨年9月の孫 家珮展にもお見えになり、来年米寿を迎えるお祝いにお嬢様からプレゼントされるとのことで、一点一点じっくり作品をご覧になり、ご自分の絵をお決めになったときのこぼれるような笑顔! 少しでも早くご自宅に、とおっしゃるお嬢様の隣で「これから毎朝、目が覚めたらこの絵を見られるのね!」と喜びの声をあげていらっしゃいました。ご自身でも長年油絵をお描きだったそうで、体調を崩されて沈んでいるY様に、周囲の方が制作を再開するよう勧めたところ、すっかり気持ちが生き返ったとのこと。それ以後、色鉛筆から水彩、アクリル絵具、と描き続けて、今では作品集の制作も計画しているというお話です。少女のように笑うY様が見せてくださったのは、心を潤す絵の力そのものでした。

  これからも、“心に寄り添う一期一絵”をお届けすることが、たくさんの方々の喜びに結びつきますように。そんな願いをこめて開廊15周年記念展を開催いたします。どうぞお出かけください。

 

平成30年3月吉日

シルクランド画廊  顧 定珍