GMご挨拶

GM Message

顧定珍 in 上海

顧定珍 in 上海

平素より格段のご愛顧を賜わりまして誠にありがとうございます。夜の冷えこみが少しずつ増して参りましたが、
皆様おわりございませんでしょうか。

10月末、上海に行って参りました。ひとつは、今中国でヒートアップしているオークション参加準備のためです。
ここ10年、中国では美術作品を専門に扱うオークションが本格的に盛り上がってきました。当初は、伝統的手法の有名作家の中国画や書が大半を占めましたが、近年では現代作家の作品も人気です。そのエネルギーは銀座にまでやってきました。私どもの画廊に、いくつかのオークション会社が中国から見学にきたのは昨年のこと。作品を見たあるオークション会社から、参加の要請を頂いたのです。オークション開催はその先ですが、一連の作業を終え、期待に胸を膨らませての帰国になりました。

また、ギャラリー通信第一号でもお伝えした劉宇廉先生の回顧展が、ちょうど上海美術館に巡回中で最終日の前日に駆けつけました。北京でのオープニングセレモニーは美術関係者で満場でしたが、劉先生の故郷でもある上海では、 先生の作品を愛する愛好家の姿であふれ、北京とは別の嬉しさで会場をあとにしました。会期終了後は、北京の中国美術館に7点、上海美術館に3点の劉作品が収蔵される予定です。滞在中には、お仕事で上海にいらっしゃった当画廊のお客様と夕食をご一緒する機会にも恵まれました。当日はたまたま私の誕生日、話のついでに申し上げたところ、お客様のご同伴の方々と総勢8名でシャンパンを抜いて祝ってくださいました。人と人との結びつきに国境はないと痛感します。最近騒がれる日中間の政治的な軋轢も、こうした個人の親交できっといつかはなくなるはず。その確信を深めた、本当に幸せな夜でした。
これからも、皆様の温かな励ましを支えに、絵とお客様、また国と国との文化の架け橋になれるよう、いっそう努力して参ります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

2005年11月
                        シルクランド画廊  顧 定珍