月刊美術 2025年7月号に「藤井美加子展 ― 自然と響きあう瞬間 ―」の情報が掲載されております。
月刊美術 2025年7月号掲載記事
【記事内容】
風景と花鳥と水墨表現 新たなステージを見据えて
北の大地から、日本海沿岸、各地の渓谷など写生に基づいた雄大な風景画を描く一方、鮮やかな花鳥画でも人気の日本画家・藤井美加子。近年は水墨表現も探求する。シルクランド画廊での初個展は、風景、花鳥、水墨という画業のすべてをコラボレートして展開。
「真冬の八甲田と酸ヶ湯を訪れた際に目にした5メートルの積雪の上に広がる雪原や、山道を虫に刺されながら何時間も歩くことでようやく辿り着くことのできる眺望など、過酷な行程を経ることでしか絵になる一瞬の時間には出会えない」と画家。
場所だけでなく時間と体感が風景画になるという。それに対して花鳥画は、花やネコといった「気に入ったモチーフを構成する喜び」に溢れ、癒しをもたらす。そして水墨画は自然の働きをエネルギーとして昇華してくれるという。
「35年前に雲仙普賢岳の噴火をスケッチしたものの、あまりの被害の深刻さに描けませんでした。しかし水墨ならばあの普賢岳の内なる猛しさを描くことができるはず」画家としての新しいステージを30余点の新作で飾る。
【藤井美加子 略歴】
1965年広島市生まれ/1987年セントラル日本画大賞展/1990年多摩美術大学大学院美術研究科日本画専攻修了/1994年春季創画展春季展賞受賞/1995年文化庁芸術インターンシップ研究員/1997年上野の森美術館大賞展/2002年菅楯彦大賞展(倉吉博物館)/個展(オンワードギャラリー日本橋)(’08 ’12 ’16’19)/2006年個展(日本橋高島屋)/2010年glamorous女流日本画展(日本橋高島屋・新宿高島屋)/2012年「風景画展」(新宿・佐藤美術館)/2014年dot.女性日本画家展(第2回都美セレクショングループ展・東京都美術館)/「Art to HeartⅤ」東日本大震災チャリティー企画(銀座・ギャラリー枝香庵)(~’18)/2018年「水墨玄空」(銀座シルクランド画廊)(’19)/2020年日本水墨画大賞展/2022年日本画三人展 ― それぞれの音色 ―(シルクランド画廊)/日本水墨画大賞展 雪舟大賞受賞他、全国百貨店・美術画廊にて個展、グループ展多数開催/現在 日本美術家連盟会員、創画会会友