全国の景勝地をはじめ四季折々の渓谷の風景など、労を惜しまない取材を重ねての制作には旺盛な探求心が窺え、花鳥画や生き物達へのまなざしには愛しいものへの情感や好奇心がいかんなく投影されています。10年ほど前から取り組む墨の仕事が持つ奥深さを、効果的に日本画材とも融和させて昇華した作品には今年還暦を迎える作家の充実期を感じさせます。今回は展覧会に先駆けて伺ったお話と、出品作品をあわせて編集いたしました。
【藤井美加子 略歴】 1965年 広島市生まれ 1987年 セントラル日本画大賞展 1990年 多摩美術大学大学院美術研究科日本画専攻修了 1994年 春季創画展春季展賞受賞 1995年 文化庁芸術インターンシップ研究員 1997年 上野の森美術館大賞展 2002年 菅盾彦大賞展(倉吉博物館)/個展(オンワードギャラリー日本橋)(’08 ’12 ’16’19) 2006年 個展(日本橋高島屋) 2010年 glamorous女流日本画展(日本橋高島屋・新宿高島屋) 2012年 「風景画展」(新宿・佐藤美術館) 2014年 dot.女性日本画家展(第2回都美セレクショングループ展・東京都美術館)/「Art to HeartⅤ」東日本大震災チャリティー企画(銀座・ギャラリー枝香庵)(~’18) 2018年 「水墨玄空」(銀座シルクランド画廊)(’19) 2020年 日本水墨画大賞展 2022年 日本画三人展 ― それぞれの音色 ―(シルクランド画廊)/日本水墨画大賞展 雪舟大賞受賞