GMご挨拶

GM Message

開廊21周年に寄せて

開廊21周年に寄せて

日射しの温かさに心身がぬくもるこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

年頭から、被災した方々の身の上が案じられるニュースが続いております。少しでも暖かく、少しでも早く、かなしみを乗り越えて心やすまる日が訪れることを念じずにはいられません。

シルクランド画廊が銀座の地でスタートして20年余り、数々の素晴らしい作品をご紹介してこられたことはなによりの誇りですが、この場所にあたたかさと命を与えてくださったのは、足を運んでくださる皆さまから頂く活力でした。

昨年はようやく外出自粛モードも去り、のびのびと出かけられる自由が戻ってきました。秋には、理事を務める団体の有志と共に、上野公園にある美術館を3館引率しご案内いたしました。参加者は皆さん経営者、ITや不動産関連などで活躍する若い方が多いこの団体で、私は芸術的なレジャー活動を企画、数年前は玉堂美術館を訪ねて奥多摩を散策し、前回の銀座画廊巡りもご好評をいただきました。

《永遠の都ローマ展》、《キュビスム展》そして《モネ 連作の情景》展、鑑賞の間に老舗の鰻屋さんと見ごろの紅葉鑑賞などを挟みながら、朝から7時間にわたるツアー。日頃、「美術館とは縁遠い」という参加者もおられましたが、とりわけ《モネ》展はとても喜んでいただけて、美術というものに初めて目と心をひらいた方々の新鮮な感動に接し、自分が留学生の時に美術館で出会った素晴らしい美術品に感涙したことが蘇りました。

ノーベル賞受賞者の大村智さんは、蒐集した一級の作品を公開していることが知られています(創立した韮崎大村美術館は韮崎市に寄贈なされました)。2021年当時感染症に見舞われ、その対応に揺れた社会を見るにつけ、「将来はそう薔薇色でもない」と危惧しながら「その思いを矯正してくれるのが美術、芸術なんです」と語っていらっしゃいます。

初めて美術に触れる方、ずっと美術を愛していらっしゃる方、すべての方に、素晴らしい作品との出会いの扉を開くことが私どもの使命です。

光あふれる作品をひとりでも多くの方にお届けする場として、これからも努めてまいります。今後ともシルクランド画廊をよろしくお願い申し上げます。